言葉にできない

久しぶりに観たいと思う映画を観てとても心を動かされたので、感想を書こうと思ったけれどうまく纏められない。
だから感想を書くのは諦める。

感想を書こうとすると、作品を観てぐるぐると頭の中を廻る思考にけりをつけなくちゃいけなくなる。
観る人によってどうにでも受け取れるような深い作品ほど余韻は長く残る。
感想を文字にするとそうした余韻を強制終了させてしまうみたいで、書いても書いても何かが違う。

作品を鑑賞したあとすぐに感想を求められる機会って結構あるけれど、それは少し乱暴なことなのかもしれない。
たとえ何の引っ掛かりもなかったとしても本人に直接伝わる状況なら「よかった」としか言えないし、本当によかった場合でもうまく言葉が出てこなくてやっぱり「よかった」としか言えない。
どちらにしろ「よかった」という言葉しか残せないのは不本意だ。

何日かかけてゆっくりと思い出しながら反芻して、もういっそのこと言葉にせずにそのまま消化してしまいたい。

好きだったらリピートする。
それでいいんだと思う。